グーグル化生活とは

 電車の中吊りを見て気になっていた週間ダイヤモンドの勝間和代さんのグーグル化生活を読んだ。
 知的生産の方法というのは古今東西で常に話題になり関心を集めてきた事柄だが、今回の特集もまたしかり。勝間さんのことは以前、朝日新聞のBeが始まった頃にフロントラインというコーナーで取り上げているのを読んだことがあるくらいだったが、今回の記事を読んでそのライフスタイル、仕事の仕方にはまったく恐れ入った。GTDが少し前にもてはやされていたが、それに近いインパクトがあると思う。
 彼女の方法とは、要するにグーグルを最大限活用することと、フォトリーディングで情報入力の効率を上げること、戦略的に自分の生活を捉えて、たえず向上を目指す、といったところが要点だろうか。細かいノウハウにはふむふむとうなずくこと多数だった。
 しかし自分でどれくらいできるかというと、なかなかできることばかりではない。少しでもいいところは取り入れたいとは思うが・・・。
 それから、いつもこのグーグルの話で気になるのは、自分に関するデータをオンラインストレージ、しかも今のところ無料だが、βサービス扱いのアメリカ企業にゆだねてしまっていいものかという点。グーグルのハードディスク群と、自分のパソコンのハードディスクを比較して、どちらが信頼性が高いかと言えば、やはりグーグルにはなるのだろうが、オンラインでないと使えないというのにどうしても抵抗がある。
 しかしよくよく考えてみれば、Gmailも携帯端末から使えるようになってきた今、オンラインでないところが我々の生活圏でどれくらい残っているのか。ここは冷静に分析してみなくてはいけないかもしれない。いよいよ自分もグーグルにパーソナルデータベースを構築する日が近づいているのだろうか・・・。

マイクロソフトによる買収提案にヤフーは反対

 今、IT業界で最も熱い話題が、マイクロソフトによるヤフー買収提案だが、9日の報道によれば、ヤフーの取締役会は、今回の提案を拒否するという。
 よく言われてきたようにシリコンバレーの気質と「大企業」マイクロソフトの企業体質は相容れない。ヤフーのジェリー・ヤンCEOにすれば、自分の分身を売り渡す相手がマイクロソフトというのは到底受け入れられないだろうとは思ってはいた。しかし、最近のヤフーの株価の下落、マイクロソフトの提示したプレミア買収株価、提案が受け入れられないときのマイクロソフトによるTBO(敵対的買収)の構えなど、ヤフーにすれば追い詰められた感があったのも事実だ。だからこそ、ヤフーとグーグルとの提携とか、検索業務の委託といった話が取りざたされていたのだと思う。
 そして、今回の報道によれば、ヤフー側がマイクロソフトの提案を拒否する理由が「買収価格が低すぎる」というものだという。
 これはマイクロソフトにさらなる高額を提示させようというよりは、もっと高く買収してくれるところが見つかったのではないかという気がする。マイクロソフトとしては買収提示額を引き上げるか、TBOを発動するかという判断を迫られるが、その検討をする間にも、ヤフーといわゆるホワイトナイトとの間で電撃的な提携・合併が発表される可能性もあるのではないだろうか。
 では、そのホワイトナイトはどこか。噂されたようにグーグルか?しかし、ヤフーとグーグルが一緒になることは、独占禁止法上問題があるのではないかと推察される。よって、その相手は別にあると見るが、どうだろうか。それともヤフーとグーグルが何らかの関係を持ちつつ、法律上の制限を受けないウルトラCがあるのだろうか。
 いずれにしろインターネット普及初期から独自の文化を持ち、存在感を示してきたヤフーがどうなるのか、アメリカだけでなく世界の注目が当分集まりそうだ。

手帳は何を使うべきか?

年末になると「来年の手帳はどうしようか」というのがかつての大きな(というとおおげさだが)課題だった。
学生時代には全然使っていなかったが、さすがに仕事を持ってから手は帳というものを使っている。「仕事の出来る人は手帳が違う」などと言われるくらいに重要な手帳。文具店には様々な手帳が所狭しと並べられているし、その気になって探せば書店には、どんなふうに手帳を使ったらいいか、山ほど本が出版されている。それだけ、手帳というのは世の中の関心を集めるアイテムだ。スケジュール管理やちょっとしたアイデアのメモなど、その人の行動をアシストする手帳は確かに使い方によってその人のアウトプットを大きく左右する。
小生の場合、最初は手帳を使っていたが、10年ほど前からパソコンを使い出して様相が変わった。もともとパソコンを使いたいと思った理由が個人的なデータベース、つまりは手帳を電子化することが大きな目的の一つだった。自分に関係するあらゆる予定や情報を書き込んで後で自由に検索、利用できるようになったら便利だろうなという発想だった。ところがこれがなかなか上手くいかない。10年前、パソコンでは常にキーボードで入力することを求められる。PalmなどのPDAもあるにはあったが、入力のしづらさときたらキーボードの比ではない。また、いつも机の前に座っているような仕事でもなかったので、次第にパソコンで手帳を代用するという気が萎えていった。そして決定的とも追われたのが一覧性の問題。紙の手帳はざっと一瞥すれば1週間、1か月のスケジュールをいつでもどこでも確認できたが、パソコンではそうはいかない。ノートパソコンなんていつでも持ち歩けないし、PDAの小さな画面では一覧性では紙にはとうてい及ばない。そういうことでパソコンを数年ほど使った後、再び昔ながらの手帳を利用するようになった。それから、手帳についてはどんなものが使いやすいか、リフィールをつかったものもサイズもいろいろと試してはみた。そして最終的には「ほぼ日手帳」を使うようになったのが3年前。
しかし、これにしても最近問題に直面している。ほぼ日手帳は1日1ページでいろんなことが書き込めるから、スケジュール管理としても日記としてもアイデアメモとしても使える優れものだ。ところが書き込む情報が多くなってくればくるほど「あの件はいつのことだったっけ?」と探すことが多くなる。ところが紙メディアの欠点で、検索はひたすらページをめくるということになる。この手帳を使っている人の中には、1日ごとのページに書いたことを、年間スケジュールに一部書き写してインデックスとして利用している人もいるらしい。しかしそうなると入力作業は二度手間になるわけで、そこまでするならパソコンで電子化したほうが便利じゃない、という気もしてくる。
また、私の仕事もだんだん机に座っている時間が多いものとなってきたこともあり、パソコン画面に入力する時間が増えてきている。かつてのように外で手帳を見返して書き直して、というパターンが減ってきたのだ。これも手帳よりパソコンのほうが便利かと思う理由の一つだ。
というように、結局は自分の仕事のやり方が変わるにつれて、求められる要素が変わるので、その都度、手帳だったりパソコンだったりしたわけだが、それでも長期的なことを考えれば電子化しておいたほうがあとあと便利だし、過去データもかさばらないというメリットは大きい。ということで最近は手帳にいろいろと書き込んだ上で、なるべくパソコンに入力して電子化するようにしている。使っているのはほぼ日手帳と、アントラージュ(Mac版アウトルックのようなソフト)。でもこれだと手帳のインデックス作るのと大して手間は変わらなかったりするかもしれないな、とつぶやいてみる11月下旬の午後。

ハンカチ王子

ハンカチ王子、きのうまで知りませんでした。もちろん早稲田の斎藤くんは知っているが、彼が「ハンカチ王子」と呼ばれていることを知らなかった。今や政治家から「自民党にもハンカチ王子が必要だ」なんていう発言が出てくるほど一般化しているらしい。週刊誌やテレビをあまり見ない自分なのでこうした「流行語」に疎かったわけだ。ネットはかなり見ているつもりだったが、自分の関心領域にはひっかかってこなかったと見られ、きのうまで気がつかなかった。ネットは情報のるつぼなわけだが、こうした「蛸壺化」もあるという一例だ。
しかし「ハンカチ王子」というネーミングはなかなか絶妙。おりからの41年ぶりの皇室の男子誕生も相まって、ロイヤルブームがしばらく続きそうだ。

はてブ論議に関連して

ひさびさの更新。しばらくエントリーを読むだけの日々だったが、ここ数ヶ月での傾向などについてまとめてみる。
まず思うのは、最近はてなブックマークに関するエントリーが多くなっていること。それからその「はてブ」(この省略の仕方も相当なものだが)のクオリティに関する議論が騒がしいようだ。これははてブという仕組みの利用者が次第に増えてきているということの結果だと思うが、それでも半年前にはあまり見られなかったエントリーが人気エントリーに入ってきていると思う。たとえば「ネット右翼」好みのエントリー。昭和天皇の発言をメモしたとされる日経のスクープに関しての真贋論争や靖国神社参拝問題など。以前の印象でははてブというのはネットの技術系のエントリーが多くて、文系の小生には難しいが技術動向を知る上で勉強になる、といったものだったが、ずいぶんと「普通の」話題が増えてきた。そうなると、RSSに人気エントリーを登録してまで読むほどの価値がだんだんなくなってきている。そういう意味ではてブのクオリティ論争には、自分としても首肯するとこも大いにある。技術として普及する一方で、そうした質の問題というのは常につきまとうのだろう。

マイクロソフトのユーザーサポート

きょう初めてマイクロソフトのユーザーサポートに電話した。今使っているソフトがどうも不具合があって自分で対処できなかったためだが、何事も自分で何とかしようとする私がサポートに電話するなど前代未聞だった。ちなみに小生はMacユーザーだが、別にマイクロソフトのことを「悪の帝国」だなどとは全く思っていないし、敵対心もそれほどはない。なぜなら所詮Macなんて市場シェア5%なのだから、粋がっても勝負にはなりえないからだ。
それで電話の話に戻るが、この対応した担当者がまた非常に印象がいい。対応が適切かつ丁寧。話し方にも誠意が感じられる。小生のトラブルはなかなかやっかいでその場では解決ができなかったのだが「調べて後ほど電話します」ということでいったん電話を切った。口の悪い妻などは「どうせかかりっこないわよ」などと言っていたのだが、数時間後にちゃんと電話が来た。まだちゃんとした解決策を見いだせないが、どうもこのあたりに問題がありそうだという途中経過の報告だった。そしてさらに調べたあとでまた電話する、という内容だった。
最終的に問題が解決できるかどうかはわからないが、ここまでの対応ぶりはなかなか優秀で合格点があげられると思う。以前、仕事の関係でDELLのサポートにも電話したが、これも非常に良かった。両者に共通しているのは、マニュアルがしっかりしているという点。しかもコンビニのバイトの店員に対するような単なるマニュアルではなく、「なぜこうしなければいけないのか」という目的が備わったマニュアルという感じを受けた。それが今伸びている企業のクオリティなのだろうとも思う。言い換えれば企業統治(ガバナンス)がしっかりしている企業で働く従業員の質の高さを物語っているわけだ。サポートというと製品開発をしているわけでもなく、収入をかせぐ営業でもなく、ともすれば事後処理屋、クレーム処理という面があるせいか、企業の中でともすれば軽く見られがちな部署であった。
ところが近年、ユーザーは購入体験だけでなく使用体験も重視する時代になっている。新たな市場を次々に開拓できる時代はとうに終わって(除、中国)買い換え需要が重要なターゲットになっている。いついつまでも当社をご贔屓にしていただくためには、アフターケアはかつてないほど重要だ。そうした時代要請にマイクロソフトも対応しているということだろうか。また、東芝のクレーマー事件に見られるように消費者側がホームページやブログなどの情報発信手段を持つことで、企業のいいかげんな対応を世論に訴えるということも日常化している。こうした点も背景にはあると思われる(実際、マイクロソフトもサポートにかかってきた電話を録音することがあると明示している)。ともあれ、かつてお客様のクレームの中に商売のヒントがある、と言われたこともあるように、ユーザーからの直接のリアクションはある意味で企業にとって宝のようなものである。莫大な市場調査費をかけなくても、向こうから商品に関する印象や問題点の指摘を伝えてくれるからだ。そういう意味で、マイクロソフトはやはり世界を席巻するだけのガバナンスの効いた企業なのだなと改めて感じ入った次第である。(しかし相談しているトラブルは本当に解決されるのだろうか・・・)。

かいじゅうたちのいるところ、映画化

 
 ワーナー・ブラザーストム・ハンクスが主宰する制作会社プレイトーンによって製作される『ホウェア・ザ・ワイルドシングス・アー』(原題)で豪華スターが共演することが決まった。同作は、モーリス・センダックの児童書「かいじゅうたちのいるところ」を映画化するもので、『アダプテーション』のスパイク・ジョーンズがメガホンを取り、実写とアニメとパペットが革新的に融合して映像化される。ベニシオ・デル・トロフォレスト・ウィテカーミシェル・ウィリアムズ、『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』のキャサリン・オハラ、『ヒート』のトム・ヌーナンが声の出演をし、実写部分ではキャサリン・キーナーが主人公の母親役で登場する。「かいじゅうたちのいるところ」は、いたずらの罰に寝室へ追いやられた少年マックスは部屋がいつの間にか森になり大喜びするが、森での体験を通して最後には「我が家に勝るものなし」と理解する様を描くファンタジー・ストーリーだ。
(FLiX) - 5月15日11時15分