マイクロソフトによる買収提案にヤフーは反対

 今、IT業界で最も熱い話題が、マイクロソフトによるヤフー買収提案だが、9日の報道によれば、ヤフーの取締役会は、今回の提案を拒否するという。
 よく言われてきたようにシリコンバレーの気質と「大企業」マイクロソフトの企業体質は相容れない。ヤフーのジェリー・ヤンCEOにすれば、自分の分身を売り渡す相手がマイクロソフトというのは到底受け入れられないだろうとは思ってはいた。しかし、最近のヤフーの株価の下落、マイクロソフトの提示したプレミア買収株価、提案が受け入れられないときのマイクロソフトによるTBO(敵対的買収)の構えなど、ヤフーにすれば追い詰められた感があったのも事実だ。だからこそ、ヤフーとグーグルとの提携とか、検索業務の委託といった話が取りざたされていたのだと思う。
 そして、今回の報道によれば、ヤフー側がマイクロソフトの提案を拒否する理由が「買収価格が低すぎる」というものだという。
 これはマイクロソフトにさらなる高額を提示させようというよりは、もっと高く買収してくれるところが見つかったのではないかという気がする。マイクロソフトとしては買収提示額を引き上げるか、TBOを発動するかという判断を迫られるが、その検討をする間にも、ヤフーといわゆるホワイトナイトとの間で電撃的な提携・合併が発表される可能性もあるのではないだろうか。
 では、そのホワイトナイトはどこか。噂されたようにグーグルか?しかし、ヤフーとグーグルが一緒になることは、独占禁止法上問題があるのではないかと推察される。よって、その相手は別にあると見るが、どうだろうか。それともヤフーとグーグルが何らかの関係を持ちつつ、法律上の制限を受けないウルトラCがあるのだろうか。
 いずれにしろインターネット普及初期から独自の文化を持ち、存在感を示してきたヤフーがどうなるのか、アメリカだけでなく世界の注目が当分集まりそうだ。