手帳は何を使うべきか?

年末になると「来年の手帳はどうしようか」というのがかつての大きな(というとおおげさだが)課題だった。
学生時代には全然使っていなかったが、さすがに仕事を持ってから手は帳というものを使っている。「仕事の出来る人は手帳が違う」などと言われるくらいに重要な手帳。文具店には様々な手帳が所狭しと並べられているし、その気になって探せば書店には、どんなふうに手帳を使ったらいいか、山ほど本が出版されている。それだけ、手帳というのは世の中の関心を集めるアイテムだ。スケジュール管理やちょっとしたアイデアのメモなど、その人の行動をアシストする手帳は確かに使い方によってその人のアウトプットを大きく左右する。
小生の場合、最初は手帳を使っていたが、10年ほど前からパソコンを使い出して様相が変わった。もともとパソコンを使いたいと思った理由が個人的なデータベース、つまりは手帳を電子化することが大きな目的の一つだった。自分に関係するあらゆる予定や情報を書き込んで後で自由に検索、利用できるようになったら便利だろうなという発想だった。ところがこれがなかなか上手くいかない。10年前、パソコンでは常にキーボードで入力することを求められる。PalmなどのPDAもあるにはあったが、入力のしづらさときたらキーボードの比ではない。また、いつも机の前に座っているような仕事でもなかったので、次第にパソコンで手帳を代用するという気が萎えていった。そして決定的とも追われたのが一覧性の問題。紙の手帳はざっと一瞥すれば1週間、1か月のスケジュールをいつでもどこでも確認できたが、パソコンではそうはいかない。ノートパソコンなんていつでも持ち歩けないし、PDAの小さな画面では一覧性では紙にはとうてい及ばない。そういうことでパソコンを数年ほど使った後、再び昔ながらの手帳を利用するようになった。それから、手帳についてはどんなものが使いやすいか、リフィールをつかったものもサイズもいろいろと試してはみた。そして最終的には「ほぼ日手帳」を使うようになったのが3年前。
しかし、これにしても最近問題に直面している。ほぼ日手帳は1日1ページでいろんなことが書き込めるから、スケジュール管理としても日記としてもアイデアメモとしても使える優れものだ。ところが書き込む情報が多くなってくればくるほど「あの件はいつのことだったっけ?」と探すことが多くなる。ところが紙メディアの欠点で、検索はひたすらページをめくるということになる。この手帳を使っている人の中には、1日ごとのページに書いたことを、年間スケジュールに一部書き写してインデックスとして利用している人もいるらしい。しかしそうなると入力作業は二度手間になるわけで、そこまでするならパソコンで電子化したほうが便利じゃない、という気もしてくる。
また、私の仕事もだんだん机に座っている時間が多いものとなってきたこともあり、パソコン画面に入力する時間が増えてきている。かつてのように外で手帳を見返して書き直して、というパターンが減ってきたのだ。これも手帳よりパソコンのほうが便利かと思う理由の一つだ。
というように、結局は自分の仕事のやり方が変わるにつれて、求められる要素が変わるので、その都度、手帳だったりパソコンだったりしたわけだが、それでも長期的なことを考えれば電子化しておいたほうがあとあと便利だし、過去データもかさばらないというメリットは大きい。ということで最近は手帳にいろいろと書き込んだ上で、なるべくパソコンに入力して電子化するようにしている。使っているのはほぼ日手帳と、アントラージュ(Mac版アウトルックのようなソフト)。でもこれだと手帳のインデックス作るのと大して手間は変わらなかったりするかもしれないな、とつぶやいてみる11月下旬の午後。