記憶の外部化

インターネットがこれだけ普及して、なおかつグーグルやヤフーのような検索サービスが充実してくると、ネットというのがここの人間にとって外部記憶装置として位置づけられてきているのではないだろうか。士郎正宗の「攻殻機動隊」の電脳のような存在だ。何かあれば外部記憶装置を検索する、ということでゴースト(生身の人間の脳)を補完する。それがどんどん容易になっている。携帯電話からもネット検索ができるし、モバイルPCはいつでもどこでもネットに接続できる環境整備が進んでいる。先日取り上げたマイクロソフトのorigamiやきのう明らかになったインテルUMPCは、そうした人間と外部記憶装置としてのネットをより強固に結びつけるツールだ。自分自身もふと何か気になるとすぐグーグルで検索している。しかも広大なネットの世界には探し求める情報がほとんどの場合存在している。それも無料で。こうした時代には有用な情報というものは「早い」か「深い」かの価値をよりシビアに問われることになるだろう。情報産業のありかたにも変容を迫ることになるのではないだろうか。